全国有数の瓦産地・兵庫県南あわじ市で 来年の干支である「申」をあしらった瓦の製造が最盛期を迎えています。

兵庫・淡路瓦は、幾多の時代と社会の変遷の中、400年の歴史を刻んだ伝統工芸的地場産業です。 その間、先人から子々孫々へ受け継がれて、知恵と美意識に磨かれた瓦の形状は 実に数千種類にも及んでいるという事です。 日本の屋根を代表する淡路瓦として、その巧みな組み合わせにより あらゆる建築物、建築様式に飽きることのない詩情と普遍美を表現しています。

さらに、都市の街並みや田園風景にしっとりとした調和と奥深い情緒を生み出しているのです。

兵庫の淡路には良質な粘土が豊富にあります。 この土を高温でしっかり焼き上げて作られるのが淡路瓦です。

あくまでも美しく、強く、伝統と技術で住まいに命を吹き込んでいるのです。

そして、淡路瓦の名前にはもう一つ名称「A・KAWARA」をご存知ですか？ 「A」はAWAJIの頭文字であり、A・KAWARERAとすることで、アワジのカワラを表しているほか エエ・カワラあるいはエースのカワラなどの意味を含めているネーミングになっています。

そんな魅力たっぷりの淡路瓦、兵庫県だけでなく、京阪神や四国から多くの注文が入ります。

表面には、「招」「福」と刻まれた瓦を持つサルが2匹デザインされていて 職人の方によると「夫婦ザルをイメージしました。来年も多くの人が瓦ず（変わらず） 家庭円満に過ごしていただければ」と、心が温まる話しています。


 執筆：街コミNAVI編集部