郡山市の総合南東北病院の敷地内にある南東北BNCT研究センターで 運営母体の脳神経疾患研究所などが取り組む最先端のがん治療法 「ホウ素中性子捕捉療法（BNCT）」が臨床試験期間に入ったとのことです。 郡山で臨床試験が行われている、このがん治療法・ホウ素中性子捕捉療法を 簡単に説明すると、がん細胞にだけ取り込まれ正常な細胞には取り込まれない ホウ素を投与し、ホウ素に反応する中性子線を照射することによって がん細胞のみを選択的に破壊する事ができるというものです。

現在、通常の放射線治療ではX線やガンマ線と呼ばれる放射線を使っています。

悪性細胞は広い範囲に微小に存在するので、腫瘍細胞を完全に治療するためには 広い範囲に大量の放射線をかけることになり、強力に治療を行おうとすればするほど 悪性細胞の周りの正常脳組織の障害も避けられないという限界があります。

しかし、この中性子捕捉療法で発生するアルファ波と7Li粒子と呼ばれるものは X線やガンマ線と比べると照射時の飛距離が短いため、余分な範囲に飛ばず 正常脳組織に与える影響が小さいとされています。

もちろん今回の臨床試験は、郡山の中だけで完結するプロジェクトではなくだけでなく 製薬会社のステラファーマ、機器開発の住友重機械工業とともに 実際に郡山で患者を治療しながら効果を検証する臨床試験を進めるそうです。

平成30年度の一般医療機関での導入を目指すということで、この技術が実用化されれば これまでのがん治療の常識を覆す技術を、郡山から発信する事になりますね。

という事で、今回の郡山のニュースは非常に期待したいところですね。


 執筆：街コミNAVI編集部