化石燃料の有限性は、誰もが知るところ。 社会が脱化石燃料を目指すようになってから久しいですが、まだまだ世界の工業製品には 石油が欠かせないものとなっています。

そんな中、石油を必要としないうえ、既存の繊維を性能面ではるかに上回る繊維を 開発した企業とその繊維が注目を集めています。

その企業が鶴岡市の企業「Spiber（スパイバー）株式会社」で、開発した繊維とは 人工合成クモ糸です。 クモの糸は鋼鉄の340倍の強度と高い伸縮性を誇り、あらゆる点で革新性をもつ素材です。

その有用性はずっと以前から認識されていたものの、クモは肉食性で縄張り意識も 強いために、カイコのように家畜化することが難しく、安定して糸を得るというのが 難しいという現実がありました。

そこで人工的にクモの糸を作る試みが各国でなされていましたが、その難易度の高さから 「NASAや米軍でも開発不可能」とまで言われていたのです。

それを鶴岡の企業が実現したというのは世界的なニュースで、現在は実用化に向けて 産学官連携での研究がなされているところなんだとか。

微生物を使ってクモ糸たんぱく質を作らせる技術を確立したということですが Spiber創業者の関山さんは慶応大学博士課程在学中の2007年に学生仲間と、Spiberを 設立したんだとか。

鶴岡市にある、慶応義塾大学先端生命科学研究所で研究を行っていたそうで そのまま鶴岡で起業することになったわけですね。

2015年にはクモ糸を使ったジャケットタイプのプロトタイプを発表していて 実用化もそう遠くはないかもしれません。

鶴岡発の世界技術。日本人として誇ってもいいのではないでしょうか。


 執筆：街コミNAVI編集部