環境問題が大きく取りあげられるようになって久しいですが、自然環境が破壊されるに伴って 昔は身近な河川や草むらにいた様々な生き物の姿が確認できなくなってしまっているというニュースも よく聞きますね。

特に河川での生物の減少は深刻と言われていますが、そんな中、ある人工の水路が「奇跡の水路」として 注目を集めているそうです。

その水路があるのは兵庫県川西市。なにが奇跡の水路なのかというと、その水路では 付近の自然河川では見られなくなった淡水魚などの30以上の水生生物が確認されたというのです。 この用水路は、川西市滝山町から市の中心部に流れる約500メートルの農業用水路で 昭和40年代に整備されたとみられているもの。

川西市で活動するNPO法人「野生生物を調査研究する会」が1998年以降、調査を続けていて これまでに兵庫県レッドデータブックBランク（絶滅の危機が増大している種）のヤリタナゴなどの生息を 確認し、良好な水質の指標となるヘビトンボの幼虫も確認したそうです。

要因はいくつかあるようですが、穏やかな流れや、天敵がいないこと、適度な砂礫や泥などが豊かな 生物資源の原因だとみられています。

川西市は現在、阪急「川西能勢口駅」の北側にニュータウン「キセラ川西」を開発中なのですが この奇跡の水路を参考にして、キセラ川西にも多様な生物が生息するせせらぎを設置予定だそうです。

ニュータウンでも用水路の整備が成功するのか、また、全国的にこうした水路を整備できるのか 注目したいですね。


 執筆：街コミNAVI編集部