アートは誰のものか。この問いは、アート＝芸術という言葉が生まれてから今日まで問われ続けているのです。芸術家のものなのか、あるいは鑑賞者のものなのか。芸術家のものだとしても、芸術家を規定するものは何か。

そんな中で、「アール・ブリュット（なまの芸術）」あるいは「アウトサイダー・アート」という運動が起こり、正常な人間を定義して正常な人間しか芸術に携われないとする見方を退けようと主張しました。現在ではこの考えが広く受け入れられ、正常さを定義する制度的なものを問い直すことにこそ芸術性があるのだと考えられています。

さてそんな精神を受け継ぐようなイベントが、高松の「瓦町FLAG」（高松市常磐町）で行われました。 開催は今回で2回目、「Happy Mix Style」というタイトルの下、アートの多様性をテーマにした展示やトークショーが高松にて行われました。

展示は、統合失調症であり高松で活動する画家である遠山亨さんの油絵作品や、主催である高松の「さをり織工房咲く屋」の作品など。

トークイベントでは、セクシャルマイノリティやADHD、統合失調症の当事者3人による「アートでひろがる♪えがおの輪」というテーマでのトークが繰り広げられました。マイノリティが芸術にとってビハインドではないんだということを、あえて当事者がマイノリティとして語る内容となり、今回のテーマが一層深められたのではないでしょうか。

アートは誰のものかという問いに対して、高松で活動するアーティストたちに答えを教えられるような気がします。


 執筆：街コミNAVI編集部