3月は、女の子の「桃の節句」を雛人形などで祝います。 そして5月は、男の子の「端午の節句」をこいのぼりや鎧兜で祝いますよね。

全国有数のこいのぼりの産地・埼玉県加須市では 今、こいのぼり作りが最盛期を迎えています。

加須では、5月の端午の節句まで忙しい日々が続くということです。 手描きのこいのぼり作りで知られる、加須で創業106年の商店では 7人の職人が、真っ白な木綿に赤や青などの顔料を塗っては、鮮やかな模様を描いています。

最近は、マンションのベランダでも飾りやすい 1.5メートルほどの小ぶりのこいのぼりが売れ筋ということです。

写真では、加須の職人によって鮮やかに彩られるこいのぼりが見れます。

端午の節句に、なぜこいのぼりをあげるのかというと 江戸時代、端午の節句には7歳以下の男子のいる武士の家では のぼりや吹き流しなどを立てるのがしきたりでした。

ところが、新興階級の町人は、吹き流しを立てることが許されなかったため 武家に対抗して、こいのぼりを立てたのが起こりです。

5月の風を大きな口いっぱいに吸い込んだこいのぼりは 気概のある強い男の子を育てるためのシンボルとしてふさわしく また、滝でものぼるといわれる鯉の勇ましさを 子供の気持ちに植えつけたいという、親の願いの表れということです。

加須で作られているこいのぼりも、そんなたくさんの男の子の親の 気持ちを背負って全国の屋根より高い所を泳ぐのでしょうね。


 執筆：街コミNAVI編集部