コロナの感染拡大により今年は多くのイベントが中止となっていますが、毎年夏に長野県飯田市で開催されている国内最大級の人形劇の祭典「いいだ人形劇フェスタ」が中止されることになりました。

「いいだ人形劇フェスタ」は、世界的にも最大級の人形劇の祭典で、海外の人形劇ファンにも知られているイベント。1979年に「人形劇カーニバル」として始まり、今では約1週間に渡って400もの人形劇が催され、約4万人の人々が参加しています。 伝統的な人形芝居から新しいオブジェを使った現代人形劇・パントマイム・腹話術まで、あらゆる様式の劇が上演され、「ミッドナイトシアター」といった大人向きの劇も行われています。

会場は飯田市内100以上もの会場で催され、本部の置かれる飯田市中心部のセントラルパークでは、テント特設ステージで毎日公演が行われたりと、正に飯田市全体が盛り上がる一大イベントと言えます。

今年は8月6日から10日までの5日間で開催が予定されていました。

中止について実行委員会は「開催の可能性を探ってきたが、参加される全ての方の健康と安全を確保するのは難しい」と開催を断念。1979年の開始以来、これまで41回開催されてきていますが、中止は初めてだそうです。

今年はコロナの世界的な感染拡大により、国内外で大型イベントの中止が発表されています。そんな中、文化面・エンターテインメント施設・イベントはどうしても軽視されがちな風潮にあります。

とは言え、楽しい場所に人が集まってしまうのは当然のこと。ウイルスの感染拡大を防ぐためにも、今年は「楽しいこと」を自粛しなければならないのかもしれません。

来年こそは「いいだ人形劇フェスタ」を始め、世界中で「楽しい」イベントが行われ、そこかしこで笑顔が溢れる、そんな1年になって欲しいものです。

（2020年5月31日に書かれたコラムです）


 執筆：街コミNAVI編集部