富山県砺波市大門(おおかど)地域に伝わる「大門素麺（おおかどそうめん）」をご存知でしょうか。

「大門素麺」は、江戸時代後期頃から富山に伝わる伝統の名産品です。

富山県砺波市で作られている「大門素麺」は、元々農家の冬の副業として加賀藩から伝わった素麺の製法が、村内に広がったものと言われています。 最盛期には、60軒以上の生産者が「大門素麺」を製造していましたが、現在では13軒しか生産者が残っていないということです。 冬の寒い時期の早朝に作られるという素麺で、例年2月頃が最盛期となっています。

深夜から早朝にかけて生地を伸ばしてゆき、約2mほどの長さにしてから乾燥をさせます。その後丸めてさらに10日間ほど乾燥させて完成となり、その画業が3月頃まで続くのだとか。

一般的な素麺と言えば、乾燥した麺が棒状に束ねられている状態ですが、「大門素麺」は全国的にも珍しい“丸まげ状”になっていることが特徴です。 「丸まげ(髷)」とは、江戸時代から明治の一般的な既婚女性の髪型のことを指しているそうです。 これは、北前船で運搬の際、俵に詰めて荷崩れしないための工夫だと言われています。

富山県砺波市の飲食店組合では、2010年頃から大門素麺の“ご当地グルメ化”を目指しており、市内の特定の飲食店では、大門素麺オリジナルメニューを堪能できます。

「めん食堂 川なべ」では、“茄子の煮浸しと柔らかニシンの甘露煮大門素麺（1,100円）”という、蒸し暑い季節にぴったりのメニューが提供されています。

「大門素麺を食べたいけれど、富山まで行くのは少し遠い…。」という方には、東京・幡ヶ谷にある飲食店「bistro IZUMY」をオススメします。 こちらのお店では、ちょっと珍しい「富山県名物 大門素麺の冷製ボンゴレ・ビアンコ（1,900円）」をいただくことができますよ。

冬の寒い時期に精魂込めて作られた素麺を、夏の暑い時期にいただけるというのはなんとも贅沢ですよね。 「大門素麺」は、通販のお取り寄せも可能ですので、気になる方は、早速チェックしてみてくださいね。


 執筆：街コミNAVI編集部