（2018年9月30日に書かれたコラムです）

神奈川県庁は9月19日、視覚と聴覚の両方に障害がある盲ろう者の会場の窓口として、専門の支援センターを来年度に整備すると発表しました。

今回の発表にあたっての事前調査では盲ろう者の4割が障がい者福祉サービスを利用していない実態も判明しており、必要な支えが届きやすい体制づくりを進める方針です。 神奈川県障害福祉課によりますと、本年度に市町村を通じて行った実態調査で神奈川県内の盲ろう者数は528人で、このうち211人が盲ろう通訳や介助員の派遣、移動支援などのサービスを利用していなかったことが判明しました。

さらに148人についてはその理由を市町村も把握していなかったそうです。

神奈川県では現在、神奈川県聴覚障害者福祉センターが窓口となっていますが、同課は、盲ろう者はコミュニケーションがさらに困難で、必要な支援を訴えることも難しいと分析。

「十分なサービスを受けられず、地域で孤立しがちな人がいるのでは」と見ています。

また相手の手に触れて手話で会話できたり、わずかに音が聞こえたりと、一人一人の多様なニーズに応えるため、介助員の技術向上も必要となります。そのためセンターでは当事者や家族からの相談を相談を受け付ける他、通訳、介助員の養成にも努める方針だそうです。

福祉サービスがあるのを知りながら利用していないということは、やはり何らかの理由はあるはずで、それは個人の障害の度合いにもよるものだと思います。

行政としてはそういった個人の障害にも向き合い、対策を行っていく必要があるのではないでしょうか。そういった相談実施なども今後は検討していく予定とのことで、神奈川県庁の今後の対策にも注目していきたいです。


 執筆：街コミNAVI編集部