一般に知られている著名人の出身地、よくよく辿ってみると、違う地域だったことってよくありますよね。著書「蜂蜜と遠雷」で第156回直木賞を受賞した恩田陸さんの出生地が青森県青森市だったことを受けて、青森市の文学・図書関係者から驚きと喜びの声が上がっています。

著書の巻末の略歴には宮城県生まれと表記されていた恩田さんですが、実は父親の転勤先であった青森市で生まれ、その後、転勤を繰り返していたそうです。 青森市内にある青森県立図書館では、急きょ所蔵する恩田さんの作品を集めて展示コーナーを設置。

青森市内の書店では受賞を知らせるポップ広告を立てるなど、祝福ムードが広がっているようです。青森県近代文学館の西谷ともえ副室長は「青森県に縁のある作家としてノーマークでした。青森生まれと知って嬉しい」と喜びのコメントを発表。

青森県立図書館司書の棟方維大さんは「青森生まれと言うことが突然出てきたのでビックリした。今後、ぜひ青森を舞台にした作品を書いてもらいたい」と話しています。県内の書店でも直木賞受賞が決定した1月19日夜から20日にかけて受賞作「蜂蜜と遠雷」を始め、恩田さんの作品が好調な売れ行きをみせているようです。

そもそも略的になぜ違う出身地が書かれていたのか疑問ではありますが、思いがけない出身者の活躍に県を挙げて盛り上がるのは当然のことでしょう。とは言え、出身だけで果たしてどの程度思い入れがあるのかは疑問に感じるところ。ご本人が「ふるさと」と思っているところが本当の故郷だとは思うのですが…。

何にせよ、恩田陸さんは個人的にも好きな作家なので、直木賞受賞は本当に喜ばしいことだと思いました。


 執筆：街コミNAVI編集部