高いモノづくりの技術をもち、世界中から称賛される日本の職人たち。鉄鋼業などの世界から伝統工芸の世界まで、様々な職人がいますが、特に伝統工芸などの世界では後継者不足で伝統が途絶えてしまうことも最近では少なくありません。

こうした状況に危機感を持ち活動する人たちや、改めて地域の伝統工芸に光を当てることで地域活性化を目指そうとする人たちが全国で増えてきていますが、愛知県豊橋市でも、伝統の「豊橋筆」をより広く知ってもらおうという活動が活発となっています。 豊橋筆は1804年、当時の三河吉田藩の藩主が京都の職人を藩のために筆を作る御用筆匠として迎えたところから始まったもので、その品質の高さから、書道向け高級筆としては全国の80%の生産量を誇ります。

そして、1976年には経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されました。

書道用の筆をはじめ、様々な用途の筆が生産されていますが、現在豊橋市で取り組まれている「福筆プロジェクト」で生産され、注目を集めているのは…なんと、こども用の洗顔ブラシ「福筆」です。

最近では職人の数も減り、若手職人は生活を優先するために高級筆を作る機会が減っているという現状があった豊橋筆の世界。そんな現状を打破し、豊橋筆の魅力を世界中に伝えるため試行錯誤していた豊橋市役所の職員が友人のデザイナーのアドバイスから着想し、プロジェクトを立ち上げました。

職人の協力を取り付け、現在はクラウドファンディングも行いながらPRに努めています。贈り物にも喜ばれそうなこの福筆、皆さんも是非一度チェックしてみてくださいね。


 執筆：街コミNAVI編集部