皆さんは「日本遺産」という制度を知っていますか？「世界遺産みたいなもの？」と思った人もいると思いますが、意外にも2015年度に文化庁によって開始されたばかりの新しい制度で、最大の特徴はその遺産そのものではなく、遺産と、それを取り巻くストーリーを包括的に認定するものであること。

現在は全国で37件の遺産群とストーリーが日本遺産登録されています。

日本遺産の認定には背景やストーリーが必須となってくるので、日本遺産の申請の際は、複数の自治体が合わせて1つのストーリーを申請することがとても多い状況になっています。

そんな中、山口県でも山口市、防府市、萩市の3市が合同で日本遺産への申請を出しました。 「古代『防府』、中世『山口』、近世『萩』から幕末維新につながる都市遺産群～自分の足で巡る時間旅行の道『萩往還』」というタイトルで申請された今回のストーリー、構成する文化財は萩城跡（萩市）、旧藩庁門（山口市）、周防国衙（こくが）跡（防府市）など48の文化財となっています。

3市はそれぞれ古代から近世にかけて繁栄した歴史があり、その物語や文化が色濃く残っているという点と、萩往還で結ばれ倒幕の舞台になったというストーリーをPRして日本遺産登録を目指すそうです。

現在、山口県では日本遺産登録はないということで、山口初の日本遺産登録に向け、機運が高まっています。

外国人観光客が増え、東京オリンピックも控える中、どんな魅力的な地域資源を発掘できるか、各自治体のこれからに注目です。


 執筆：街コミNAVI編集部