滋賀県の琵琶湖で、固有種で絶滅の危機にある「ワタカ」の放流会が 2月27日、滋賀県野洲市吉川の琵琶湖岸にある「ビワコマイアミランド」で開かれました。

「ワタカ」は滋賀の琵琶湖や淀川水系のみに生息していましたが 琵琶湖で養殖された稚アユに混ざって放流され、全国の河川に定着しました。 全長はおよそ30cm、口が斜め上向きの形になっていて オスは頭や胸、背中の部分に星状の点がついています。

体色は淡い青色です。背面は灰青緑色なんですね。 河川の下流域や湖の水草が繁茂する流れの穏やかな場所に生息しています。

泳ぎがとても上手で、中層にいることが多く、食性は雑食ですが 成魚になるにしたがって、水草などの植物を好んで食べるようになります。

田んぼなどでは、イネの若芽を食害することもあります。 その食性や顔の風貌から「うまうお」と呼ばれていることもあります。

滋賀でも放流されている「ワタカ」は市場価値がなく 食用にされる事はほとんどありません。

昭和40年代には、なんと年間35トンものワタカが滋賀の琵琶湖で泳いでいましたが 湖岸の開発や外来魚の増加などで激減して、近年はほぼゼロの状態となっています。

食用の魚ではなくても、絶滅の危機にあるということで 大切に保護されている魚なんですね。

この日、滋賀・琵琶湖で行われた放流会では、栗東小学校の子供たちが育てた ワタカを傷つけないよう気を配りながら、ゆっくりと放流しました。

今後、琵琶湖で たくさんのワタカが元気に泳いでいる姿を見る事ができたらうれしいですね。


 執筆：街コミNAVI編集部