先日の地震がまだ記憶に新しい熊本ですが、まだまだ元通りとはいえないにせよ、復興も徐々に進んできています。各地からの支援の声や物資などを心の支えにしつつ、力強い熊本の底力を見せつけているというわけです。

そんな中、行定勲監督の短編映画「うつくしいひと サバ？」が完成したという朗報がとどきました。 今では世界的に有名となった行定監督はもともと熊本出身。

地元の映像作品にかける思いはひとしおのようです。コメントによれば今作は、熊本の復興へむかう努力の姿を前面に押し出した作品となっているそうです。

前作「うつくしいひと」はタイミング的に地震直前の熊本でロケを行った作品で、土地の美しさが映画の隅々までを覆っていました。

熊本では異例のロングラン上映がなされたこの前作に引き続いて、今作も熊本がロケ地。行定監督の両親が住む南阿蘇村の阿蘇大橋は崩落してしまったのですが、監督本人でさえ地震の前の姿を思い出せなかったそうで、そのショックから「変わりゆくこの風景を撮らなければ、取り返しがつかなくなる」との思いを強めたといいます。

出演は高良健吾さんほか、県出身の俳優陣。10月の一週間をかけて撮影を行いました。ストーリーは、被災地で亡くなった日本人妻の家族を探すフランス人男性と、彼を助ける探偵の姿を描きました。

地元熊本の観客からは試写を見て、「涙が出た」や「復興した後の熊本を描く第3弾を期待する」という声も。地元のお客さんが喜ぶというのは、監督にとっては嬉しいことなのではないでしょうか。ロングラン公演に期待がかかります。


 執筆：街コミNAVI編集部