世界中には様々な社会問題が存在しますが、数百年、数千年という規模で昔から議論を集めている問題といえば、やはり出産や婚姻、それに付随する問題ですよね。

赤ちゃんをめぐる問題は常に様々な議論を呼んでいますが、そうした中で、日本で10年ほど前に大きな議論を呼んだ話題といえば「赤ちゃんポスト」です。

熊本市の慈恵病院が市の許可を得て2007年に設置した赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」は大きな話題となりましたが、その慈恵病院が新たに導入しようとしているシステムが、また大きな注目を集めています。 それが「内密出産」という制度。母親は慈恵病院で、匿名で出産し、子どもは特別養子縁組で育てられます。母親は身元の証明を行政に預けておき、子どもは規定の年齢になったら親の情報を開示することが可能になるといいます。

まとめると、「子供ができて、どうしても育てることができないが、産みたい」と考える母親に対し、初めから特別養子縁組に出す前提で、熊本・慈恵病院で出産を行う制度というワケです。

「こうのとりのゆりかご」との差は病院で安心して出産できるということでしょうか。

「こうのとりのゆりかご」の制度では、親が自宅出産を選んでしまう危険性や、親が自分の情報を一切残さずに子供を預けてしまうリスクなどもあり、こうした欠点を補う制度として導入を検討したということです。

来年1月にも熊本市に相談をしていくということで、まだまだ大きな議論を呼びそうなこの問題。熊本に住んでいる人だけでなく、日本中の人が改めてこの問題には向き合っていきたいところですね。


 執筆：街コミNAVI編集部