（2018年9月30日に書かれたコラムです）

エネルギー問題については様々な発電媒体が取り沙汰されていますが、神奈川県から太陽光発電システムに関するニュースです。

住宅用太陽光発電の余剰買取制度が期限を迎える家庭が出始める「2019年問題」をめぐり、神奈川県は9月13日、新たな売電先となる神奈川県内の小売電気事業者を紹介する取り組みをスタートさせる方針を明らかにしました。 自家消費への切り替えも促しつつ、電力の地産地消を加速させたいという背景があるものと思われます。

2019年問題についてご紹介しますと、固定価格買取制度の開始時に申し込んだ家庭が大手電力会社による10年間の買取期限を2019年度前後に迎えることで、太陽光普及にブレーキがかかる可能性が指摘されています。

経済産業省資源エネルギー庁によりますと、2019年中に買取がストップする世帯は全国で53万世帯（全体の22%）に上り、余った電力を使うかうるかの選択を迫られると言います。

神奈川県は自家消費に切り替える際に不可欠な蓄電設備の活用方法をPRするとともに、買取プランを用意する小売電気事業者を登録してリスト化し、売電希望者に周知する方法を検討しています。

神奈川県の太陽光発電普及策を巡っては、黒岩・神奈川県知事1期目の公約に「4年間で200万戸」の導入目標が掲げられており、多様な支援策が展開されています。これを受け、2010年度には13万キロワットだった神奈川県内の太陽光発電導入量は、2016年度は約7倍の91万キロワットに増加したと言います。

ここから問題になるのは黒岩知事が就任する以前の太陽光発電導入者に対する補償、対策。神奈川県が掲げる「スマートエネルギー計画」の実現に向け、今後行政としてどのような対策を打ち出すのか、注目されています。


 執筆：街コミNAVI編集部