（2018年10月30日に書かれたコラムです）

データ処理などはパソコンを通し、自動化されつつある昨今。

神奈川県が、行政のデータ入力を自動化する「RPA」の実証実験を開始したというニュースが入ってきました。

これは、データ入力をソフトウェア型ロボットで自動化する「RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）」というシステムで、人員不足や職員の長時間労働の解消を目指すための有効な手段として期待されています。 このシステムは定型業務を自動化し、働き方改革が課題となる中、経費計算などの省略可につながるとして、企業を中心に導入が進んでいます。

政府も6月にまとめた未来投資戦略で、RPAを全国の自治体で導入する目標を掲げています。

神奈川県の実証実験は、富士通・神奈川支社と大崎コンピュータエンヂニアリングの2社と共同で実施されており、通勤手当の認定業務、災害時における職員の配備計画策定業務の2業務が対象で、12月下旬に実施結果のとりまとめが行われる方針です。

これらの業務に関してはこれまで職員が手作業で入力されており、神奈川県の関係者は「単純な作業ながらデータ量が膨大なために、入力ミスが発生するケースもあった」とコメントしています。

このRPAの活用によって「24時間、迅速かつ正確に稼働することが可能になる」ことが期待されています。

黒岩祐治・神奈川県知事は「このRPAの導入で効率化を図ることができれば、職員をより創造性の高い業務に振り分けることができる」とコメント。神奈川県は実証実験で成果が得られれば、統計データのホームページ掲載の作業についても自動化を進めたい考えです。

こういったデータ入力の自動化は既に他府県でも行われている事業だと思いますが、軌道にのるまでが大変なはず。自動入力というデータをルーティン化させるためにその何倍もの時間がかかってしまうものだと思いますが、入念な確認作業を経て、追々スタンダードとなっていくのではないでしょうか。

この神奈川県の事例を基に、今後全国的な戦略が行われていくように思います。


 執筆：街コミNAVI編集部