（2018年10月30日に書かれたコラムです）

みなさんは年間約7万頭の犬や猫が殺処分されていることをご存知でしょうか。

この数字は環境省が平成28年に発表したデータですが、データ化されていない事例を踏まえると、更に多くの犬や猫が殺処分されていることが見込まれています。

そんな中、神奈川県は「殺処分ゼロ県」を目指し、「犬民カード」を導入しています。 これはどういう取り組みかと言いますと「愛犬」を「県民」ならぬ「犬民」として、登録ができるという神奈川県独自の動物愛護の取り組みです。

神奈川県健康医療局生活衛生部によりますと、「神奈川県は『ペットのいのちも輝く神奈川』というコンセプトで、『神奈川犬民カード』を企画しています」とのことで、黒岩祐治・神奈川県知事肝いりの取り組みだそうです。

先月9月、神奈川県は動物愛護を進めえるため、国内最大級のペット専門メディア「PECO」と協定を結び、「PECO」運営のサイト内に神奈川県の特設ページを設置。

このサイトに登録した神奈川県在住者は「神奈川犬民カード」と銘打った愛犬のための登録証を発行できるそうです。カードには愛犬の写真や名前のほか、特技、座右の銘などを盛り込み、遊び心もタップリ。更に犬民カードの提示で、神奈川県内にある遊園地の入園料が割引になるサービスもあるとのことです。

神奈川県庁関係者によりますと、「犬は平成25年度から、猫も平成26年度から殺処分ゼロを継続中です。また来年度の開設を目標に、動物愛護センターの建て替えも検討しています。従来の処分が前提の施設から、返還、譲渡が目的の生かすための施設に生まれ変わります」とコメントしています。

取組み自体はとても素晴らしいと思いますが、結局神奈川県で殺処分を免れた動物たちが他府県に渡って殺処分をするなどのいたちごっこになっていないか気になるところですが、大切なペットの命を護るという意味では、こういった政策は今後も広範囲で進められていくべきではないかと思います。


 執筆：街コミNAVI編集部