（2019年9月29日に書かれたコラムです）

スポーツの秋、芸術の秋。全国各地で様々なスポーツイベントや文化行事が予定されていますね。

三重県鈴鹿市では、来月10月11日から「F1日本グランプリ」が開幕します。そんな鈴鹿市では今月27日、東海地方では最大級の弥生土器大型つぼが鈴鹿市の文化財に指定されました。

24日に鈴鹿市教育委員会で承認されたことを受けたものです。 今回指定されたのは、平成21年に鈴鹿市矢橋の須賀遺跡から出土した、弥生時代中期の土器です。鈴鹿市では考古資料の文化財指定は平成23年度以来8年ぶりだそうです。

このつぼを保管する鈴鹿市考古博物館によると、弥生時代の一般的なつぼと比較し、かなり巨大であることから、特殊な用途のために製作されたものと見ていますが、使用用途は不明。

液体や穀物の貯蔵に使用されるのが一般的ですが、祭祀に使われた可能性もあるのではと専門家は予測しています。

巨大な大きさや高度な製陶技術が伺える遺物がこの時代は希少なため、学術的価値が特に高いと判断され、鈴鹿市の有形文化財としての指定が決まったそうです。

現在このつぼは鈴鹿市考古博物館のロビーで展示されています。

鈴鹿サーキットが始まれば、沢山のF1ファンが鈴鹿を訪れるものと思われますが、こういった行事の裏側で、地元の歴史に注目されることは意外と少ないように思います。

この機会にその土地の歴史にも目を向け、こういった文化施設を訪れてみるのも良いのではないでしょうか？


 執筆：街コミNAVI編集部