桑名市の多度神社で 5月4日と5日に、武者姿の若者が馬で坂を駆け上がる 恒例の「上げ馬神事」が行われました。

桑名に住む16〜19歳の若者7人が、計12回出走し およそ100メートルの馬場から長さおよそ20メートルの坂に挑戦。 降り続く雨のためか、初日はいずれの馬も壁を登り切れず 集まったおよそ8万人から、ため息が漏れたということです。 桑名市の多度神社で行われている「上げ馬神事」は その年の豊作物の出来を占う意味があり、南北朝時代から続くとされています。

乗り子に選ばれた若者は、区民館で1週間ほどの共同生活に入り 毎日、桑名市にある員弁川で禊を済ませた後に拝殿へ。 神の使いとして身を清め神事に臨みます。

乗り子は当日、土を踏むことが禁止され 青年団の先輩たちに背負われて境内を移動し 古式に則った厳粛な行事を行ないました。

近年は、馬を酷使する為 動物虐待との指摘もあり、監視員およそ10人が行き過ぎた行為が ないよう注意しているそうです。

桑名市の多度神社の地域は古くから「馬の町」としても知られ ここに暮らす子供たちのほとんどが乗馬の経験があります。

2日間の上げ馬神事で、今年のように初日に 1頭も成功しなかったのは、実に23年ぶりだそうです。

様々な問題はありますが 桑名の皆さんは、800年の伝統行事を守り続けているんですね。


 執筆：街コミNAVI編集部