2月3日節分だったということで、豆まきなどをした方も多いと思いますが、秋田県にあるとあるお寺では、ちょっと変わった豆まきが行われていました。その豆まきとは縁起担ぎで金やプラチナ、水晶をまくという「大人の豆まき」です。 この豆まきが行われたのは、秋田県にある湯殿山龍泉寺。

欽名天皇の時代に初めて唐から仏像と経典が来朝した頃、玉鳳というお坊さんが諸国を回遊し、巡りめぐって秋田の地に来て、鳳凰庵という庵を結んだことに始まる、秋田県の中でも特に由緒正しいお寺。

廃仏毀釈や戦時などで行事が中断した時代を経て、40年ほど前から寺院再興を目指し、節分行事を復興したそうです。

昨年、「無病息災」を願う白い豆に「厄除け招福」を願い、赤い豆を混ぜたところ、信者の一人が「開運成就を意味する金もあれば良いのでは？」と、寺院に「金」を寄進したそうです。そこから「大人の豆まき」と銘打ち「金」を入れた紙袋をまいたところ、別の信者から「苦難を乗り越えたり、自信の壁を壊す意味のあるプラチナを入れてみては」の声があり、プラチナの寄進を受けたことから、今年は金やプラチナ、本水晶、紫水晶、菩提樹のブレスレットなどを入れた紙袋20個を用意したとのことです。

住職の方は「金やプラチナ、水晶などは宝石としてではなく、縁起物として取り入れたもの。季節を分ける立春の前日が節分。冬が厳しい秋田では、やがて訪れる春への感謝も大きい。」と話しています。

金やプラチナも入れたら良いのに、という話から、実際に寄進する人がいるのも驚きですが、それを豆まきにしてしまうのもこれまた驚きでした。秋田ということで、長い冬を経て、春の訪れを待ち焦がれているのもよく伝わりますね。

暦の上でも春を迎えるということで、感謝の思いを表しているというところでしょうか。「大人の豆まき」という名前は解せませんが、秋田の人々の信心の伝わる面白いニュースだと思いました。


 執筆：街コミNAVI編集部