足つぼマッサージや、タイ古式マッサージなど、疲れの多い現代人にはさまざまなマッサージが人気となっています。それにともなって、昔ながらの治療手段であるお灸や鍼もまた復興しているようです。筆者の友人にも最近になって職を辞してまで鍼灸の専門学校へ通った人がいます。

そんな中、徳島ではユニークなお灸があるのをご存知でしょうか？

あまり全国でも他に見たことがない、徳島のお灸が「砂灸」です。 それは、砂の上に足跡をつけ、土踏まずのあたりにお灸を据える、というものです。 そう、実はこのお灸、体や足にお灸するのではなく、砂の上の足跡にお灸をする、というなんとも不思議なものだったのです。

行われたのは3月20日、彼岸の中日。

徳島上八万町に伝わるお灸なのですが、もともとはこの地方の修行僧を自宅に泊めた際、御礼として行ったそうです。

その際「弘法大師の秘法」といって徳島市に砂灸が伝わったということです。 この砂灸、中には現地に来ることができなかった人の靴下を使って「足跡」を付ける人もいたそうで、信心深い人もいるもんだと筆者は思ってしまいました。

現代からすれば根拠の全くない灸ですが、「思う気持ち」の強さによって病気が治るということがあったのではないでしょうか。単に迷信と片付けるのではなくて、こういう文化を楽しめる心の余裕が大切なのではないかと思います。

観光がてら徳島へ、砂灸をしに訪れてみていはいかがでしょうか。


 執筆：街コミNAVI編集部