八十八夜を過ぎ、全国各地で新茶の季節を迎えています。ここで岐阜県からお茶にまつわるニュースが届いているのでご紹介します。

「美濃茶」の産地として知られる岐阜県内では5月から6月、香り高い新茶の販売が始まっています。 岐阜県の東部～南部の大部分は北アルプス・中央アルプスなどの山々を擁し、こうした山々を水源とした揖斐川・長良川・木曽川の三川が岐阜県内を流れています。

このような豊かな自然の中で育まれた「美濃茶」は、西美濃地域の「美濃いび茶」、美濃中央地域の「美濃白川茶」などの二大銘柄に代表され、岐阜県の名産物としても知られています。

近年では「不帰茶」や唯一飛騨で栽培されている「金山茶」など、産地以外ではあまり出回らない希少なお茶にも注目が集まっているようです。

「不帰茶」は不破郡垂井町で栽培されており、ぎふクリーン農業の認証を受け栽培されているチャノキからとれるお茶を総称しており、地名にまつわる伝説から「嫁ぎ先から帰らない」縁起のいいお茶としても知られています。

飛騨唯一のお茶の産地である下呂市金山町で栽培される「金山茶」は、古くは京都の九条家に送っていたという記録もあるそうで、地元では由緒正しい金山茶の普及に尽力しています。

一口にお茶と言っても、岐阜県内だけでもお茶にまつわる由来や伝承が沢山残っています。地元の伝統農法を守りながら受け継がれる味を、ぜひこれからも守り続けていって欲しいものです。

またこれからお茶を飲む際も、産地を目にした際は、ぜひその地域に想いを馳せながら飲むというのも乙なものではないでしょうか。

（2020年5月31日に書かれたコラムです）


 執筆：街コミNAVI編集部