メダカは東アジアを中心に分布する、日本では最も馴染みのある魚の一種ではないかと思います。一昔前は地域の小川をのぞくとメダカがそこら中にいたものです。そんなメダカも、現在は絶滅危惧種に指定されるほどにまで、危機に瀕しているのをご存知ですか？

1980年代ごろから個体数の減少が危惧され始めたメダカですが、そんなメダカに対して、いち早く強い危機感を抱き活動を行ってきた地域が兵庫県西宮市です。 西宮市では、メダカの絶滅を危惧して、1988年から西宮市周辺に生息するメダカを保護して、繁殖を開始。

繁殖したメダカは西宮市の庁舎で展示し、1993年からは市内の幼稚園や小中学校にも配布して、市内全域で繁殖を続けてきました。

西宮市では、市周辺の武庫川水系で生息するメダカを「西宮メダカ」と呼んで、市民にもなじみ深いものとして扱い、近年は西宮市にキャンパスのある神戸女学院大学と武庫川女子大学とも連携を進め、繁殖と同時に、遺伝子調査などのメダカに関する研究も進めています。

市民向けにも「メダカの学校」というイベントを企画したり、毎年夏に「メダカの飼い方教室」を開催したりして、メダカについての理解を促進し、水生生物全般への理解向上を目指しています。

身近な生き物たちが数10年のうちに絶滅危惧種になってしまう。そんな現状を打破できるように、私たちにもしなければならないことがあるのではないかと思わされますね。


 執筆：街コミNAVI編集部