全国各地で、地域の産業などの地域資源の再発掘が進められていますが、世の中にはその地域の特産品でありながら、あまり全国的には広く知られていないものなども多いですよね。

そうした地域資源を再び対外的にもアピールしていく活動も盛んになってきていますが、愛知県一宮市など、尾張地域での特産品でありながら、あまり一般的な知名度が高くないのが、ウールを中心とした織物です。 古くから繊維産業で栄えていた尾張地区ですが、明治時代の濃尾大地震を契機に、全国に先駆けてウールの生産を開始しました。

現在では世界的にも認められる「尾州ウール」。特に一宮市は、日本最大の毛織物の産地となっています。

しかし、先ほども言った通り、一宮が日本有数の毛織物の産地であることは、県外の人だけでなく、一宮市民でさえあまり知らない人もいる状況。そこで最近では、一宮市が主催する毛織物産業に着目したイベントなどを開催しています。

2月24日には、一宮産のウールを使用した洋服を使ったファッションショーが、一宮市総合体育館で開催されました。一宮市が地方創生事業として行う「一宮クロスプロジェクト」の一環で、東京にある文化学園大学の生徒が、授業の一環として取り組んだこのファッションショー。

「THE 尾州」というイベントの中の1つのプログラムとして開催されました。文化学園の生徒たちは、実際に一宮の紡績工場を訪れるなどしてこのイベントに準備したのだそうです。

県外の人も巻き込んで毛織物の町を広めるべく尽力する一宮市。一宮市の地方創生がどこまで進められるのか、期待です。


 執筆：街コミNAVI編集部