宇部の観光名所のひとつ、ときわ動物園。土日になると家族連れでにぎわうこの動物園ですが、ある訓練が行われたと話題を呼んでいます。

それが、「動物の逸走事件」の訓練なのです。逸走（いっそう）といっても聞きなじみのない言葉ですが、要するに「動物たちが逃げる事件」を想定して被害が園内全域、さらには宇部市内へ……、と拡大しないようにするという訓練だったのです。 確かに、こういう訓練が無ければ、「ジュラシックパーク」のような宇部を巻き込んだ大パニックになりそうです。

今回「逸走」することになったのはパタスモンキーというサル。パタスモンキーに扮した職員が逃げ回ったというのです。発見者からの通報、負傷者の救護、来園者の避難誘導など、緊急時の流れを確認したのです。参加したのは飼育員ら20名。

毎年恒例の訓練なのですが、宇部の警察官も2名参加するなどして緊迫したムードだったようです。

しかも想定はパタスモンキーが戸締り不足から逃げ出し、来園者にかみついたという内容。実際に起きたとすると大けがの恐れもありますし、パニックの起きないように緊急車両を園内に入れ、避難が完了するまでの大がかりな訓練となったようです。

しかし大変なのはパタスモンキー役の職員。あえて逃走ルートを決めていなかったそうですから、たくさんの人間から逃げ回るのも技術がいりますし、パタスモンキー風の衣装を来て走るのも大変だったでしょう。園長によれば、「逃走のうまいサル類が多いので、日々怠りなく準備、点検しておきたい」とのことです。

宇部のみなさんは安心して良いみたいですよ。


 執筆：街コミNAVI編集部