戦前に製造され、戦争で機銃掃射を受けた痕も残る 通称「ムーミン機関車」（EF55形電気機関車）の1号機が 戦後70年の今年、埼玉県さいたま市大宮区の鉄道博物館に展示されることになりました。 現在でも走行可能な旧国鉄唯一の戦前の電気機関車で JR東日本によるとEF55は1936年に幹線急行用機関車として製造。

この年は、埼玉の『鉄道博物館』の前身にあたる『交通博物館』が 開館したのと同じ年だということです。

当時流行の流線型で、東海道線の特急「つばめ」や「富士」の 花形機関車として埼玉県内をはじめ、各地で活躍しました。

しかし、終着駅で転車台を使って方向転換をしなければならない不便さもあり 3両だけで製造が打ち切られました。

1号機は、教材用に保管されたあと、ユニークな形が注目され 1986年に営業走行にカムバック。イベント臨時列車用に使われました。

その後「完全引退」し、2009年1月のラストランでは、 蒸気機関車と並んで、大勢の鉄道ファンに見送られました。

「ムーミン」と呼ばれたこの電気機関車は、 他にも「カバ」や「靴のお化け」という風にも呼ばれていました。

確かに、外観を見ると流線型とはいえ精悍な見た目ではないですよね。

埼玉の鉄道博物館での展示が決まった1号機は整備され 4月下旬からの大型連休を目処に公開予定ということです。

JR東日本の担当者は「戦中・戦後の日本を引っ張った姿を見てほしい」と話しています。

今年のゴールデンウィークは、 埼玉の鉄道博物館におでかけしてみてはいかがでしょうか？


 執筆：街コミNAVI編集部