（2018年3月19日に書かれたコラムです）

皆さんは普段、「くじ引き」にどれくらいの頻度で参加するでしょうか？

くじ引きというとあまり最近経験した覚えがないという人もいると思いますが、チケットやプレゼントの抽選や、イベントのプレゼントコーナーなどで、くじ引きのようなことは日常的に経験していますよね。

やはりくじに当たると嬉しいですし、「縁起がいい」といった気持ちにもなりますが、長野市には、まさに当たると縁起のいいくじ引きを行う神社があること、知っていますか？ その神社が、長野の桐原牧神社。1000年以上前に創建されたといわれる、伝統ある神社です。

この神社のある桐原地区は古くから名馬の産地として知られていたそうで、朝廷に馬を献上する「桐原牧」があったとされ、神社にも神馬の像があるなど、馬と深い縁のある神社となっています。

この神社で毎年春に開催されるのが春季例大祭で、そこではくじ引きで当たった人に、藁でできた馬を配布するイベントが開催されるのです。

江戸時代後期にはすでにわら駒の奉納は行われていて、当時は各家庭で作られた駒を奉納していましたが、現在は地域の保存会で毎年作られ、その一部を参拝者に配布しているのだそうです。

ご利益があるのはもちろん、地域の工芸品としての価値もあり、長野市内外のみならず、県外からもこのわら駒を求めてやってくる人もいるほどなのだとか。2002年にはこのわら駒を作る桐原牧保存会が長野市選定保存技術保存団体の指定を受け、数年前には神社の境内に「わら駒会館」もオープンするなど、地域の大切な伝統文化として地域での意識も高まってきているようです。

祭りは今年は3月8日に開催されましたが、昨年からは、例大祭の当日に巨大なわら駒が腸町内を練り歩くというイベントも開催されるなど、これまで以上にこの例大祭に関する関心や機運なども高まっているのだそうです。

長野に住んでいる人は、是非来年以降も1度この例大祭に参加してみてくださいね。


 執筆：街コミNAVI編集部