（2018年3月21日に書かれたコラムです）

みなさんは、考古学に興味はありますか？

昔のことは以前に比べてだいぶわかるようになってきたとはいえ、まだまだわかっていないこともたくさんありますし、考古学的なロマンに魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。

考古学といえば、誰もがイメージするのが、やはり化石ではないかと思います。恐竜の化石が発見されたというとわくわくする人も多いでしょうし、現在では化石からわかる情報も増えてきていますから、化石の重要度も高まっています。

岐阜県可児市では、2年前に発見されたある化石が注目を集めています。 それが、木の化石といわれる「珪化木」。

可児市の工事現場で2016年に発見された珪化木が調査の結果日本最大級と判明したということと、その珪化木がお披露目されたことが話題となっているのです。

珪化木とは、古代に土砂などに埋もれてしまった樹木が長い年月を経て化石となってしまったもの。

木の細胞組織に、ケイ酸を含む地下水が入り込むことで、木が化学反応を起こして二酸化ケイ素という物質になり、化石化したもので、世界中で発見されています。

可児市の珪化木は、緑化工事の際に発見され、専門家の調査を受けていましたが、その結果約1800万年前のニレ科の木の化石であることがわかり、確認できる部分だけでも長さは15メートルとなり、日本最大級だということがわかったといいます。

珪化木は形成の過程で水の浸食を受けて一部が失われていくことも多く、これほどの長さのモノはなかなか残っておらず、日本では北九州市の国指定天然記念物「夜宮の大珪化木」などと並ぶ日本最大級となるということです。

この珪化木の一部は開発業者から可児市教育委員会に寄贈されていて、教育委員会は教育に役立てようとこれを市立東明小学校に移設。そして3月12日に、児童たちの前でその除幕式が行われました。

意外と身近なところにこうした古代の遺物が残っていることは結構ありますから、皆さん是非普段の生活の中でも意識してみてはどうでしょうか？

意外な発見があるかもしれませんよ。


 執筆：街コミNAVI編集部