（2018年4月30日に書かれたコラムです）

佐賀県からのニュースです。佐賀市の名産品として知られる「名尾手すき和紙」。

この和紙を使ったプロダクトブランド「PAPER VALLEY」が4月4日、第1弾商品「milepaper book」を発売したと佐賀経済新聞が報じています。 「名尾手すき和紙工房」は佐賀市内に本社があり、17世紀初頭に創業しました。和紙の原料であるカジノキの栽培から手すき和紙の製作までを一貫して手掛けています。

佐賀市北部の山合にある名尾地区は、かつて約100の工房が軒を連ねるほど紙漉きが盛んでしたが今ではこの「名尾手すき和紙工房」のみとなっています。

ここで生産された和紙がこれまで命名書や卒業証書など記念の書類に多く使われてきたことを生かし、佐賀県の商品開発支援推進授業を通じて、工芸品を中心とした経営コンサルティングを手掛ける奈良県の「中川政七商店」の支援を受け、「残しておきたい紙」としてコンセプトを発案し、「PAPER VALLEY」というブランドで新たに商品を作ったそうです。

七代目の谷口弦さんは「手すき和紙の風合いを味わいながらゆっくりと思いを噛みしめて書き込み、タイムカプセルのように将来の楽しみにしてもらえたら嬉しい。」と話しています。

100もあった工房が今や一つというのも驚きですが、時代の波に流されることなく、新たなアイデアを盛り込みながら手すき和紙の製作を続けているというのは本当にすごいですね！伝統を貫くだけでなく、時代の利器などを取り入れることも継承していくための手段のひとつだと思います。

今後は佐賀の伝統工芸のひとつとしても注目され、より発展して行ってほしいなあと思いました。


 執筆：街コミNAVI編集部