（2018年11月30日に書かれたコラムです）

島根県といえば神話と縁のある土地。

年に一度、全国から八百万の神が島根県に集まるという日があるそうです。今回はその島根県での神事についてご紹介します。 旧暦10月10日の11月17日夜、島根県の稲佐の浜で八百万の神を迎える「神迎神事」が行われました。

稲佐の浜は、出雲大社に祀られる大国主命が、天照大神の使者と国譲りの話し合いをした場所とされています。同日夜には平成最後の神迎神事を見守ろうと多くの人が集ったといいます。

旧暦10月は各地の神々が留守になるため神無月と言われる一方、神々が集まる出雲地方では「神在月」とも呼ばれるそうです。

海からやって来るとされる神々を迎え終わると、神職が海からやってきた神々をサカキの枝に移す儀式が行われ、その後はサカキを白い絹の布で覆い、観光客らと出雲大社に続く約2キロの「神迎の道」を進みました。

出雲大社では、神々が滞在する今月11月24日まで様々な関連行事が行われました。

神聖なる行事であればあるほど、夜に行われる印象がありますが、そもそも八百万の神と言うことは様々なものに宿る神様の総称であり、決して人々を護るものばかりではなかったはず。それをこういう形で一般公開していることには多少の疑問を抱かずにはいられませんが、一方でこうやって人目に触れさせることで、神事を継承しているという現実もあるのかもしれません。

年号が変わり、時代が変わっても、神事に対する敬意が失われず、継承されていって欲しいと思います。


 執筆：街コミNAVI編集部