（2018年11月30日に書かれたコラムです）

そろそろ蜜柑などの柑橘類が美味しくなるシーズン。柑橘類と言えば西日本では愛媛県が有数の産地ですよね。ここで愛媛県から柑橘類に関するニュースです。

今年の夏、西日本を襲った西日本豪雨で被害を受けた愛媛県のかんきつ農家から、園地の集積、復旧への支援を求める声が強まっています。 災害に強い産地を作るため、愛媛県の農家は未被災園地も含めた「再編復旧」を検討しています。

しかしこういった未被災園地の成木の伐採に対する助成がないため、農家磨の合意形成が課題となっています。再編復旧は、被害が特に集中した愛媛県宇和島市の15か所から要望が上がっており、関係者は「協力金の支給があれば、前向きに検討する農家もいると思う」と話しています。

一方で産地の将来を見据えた基盤整備の必要性も求められており、短期的な収入の確保と、山地の未来の狭間で揺れる農家も多いとのこと。

こういった再編復旧は地域の防災面でも役立つとの期待が高く、崩れた山に土止めを設置したり、崩れた谷筋に水を逃がすための水路を設置したりする公共性の高い事業として注目されています。

関係者は「園地を災害前の元の状態に戻すだけでは将来の災害を乗り切れない。ピンチをチャンスに変えるには、災害に強い園地作りを実現する政策が必要」と話しています。確かに復旧は大切ですが、また災害が起こった際同じような被害となってしまっては意味がありません。

そういう意味では愛媛県内でも復旧を進めつつ、未来へつながる再編を進める政策が今後取り入れられるべきではないでしょうか。


 執筆：街コミNAVI編集部