浅草というと、どんなものを思い浮かべますか？

浅草といえば『芸能』を思い浮かべる人もいると思いますが 浅草は古典芸能からお笑いに至るまで、芸能が盛んな地域です。 ちなみに、大正・昭和期に流行した「浅草オペラ」の存在を皆さんは知っているでしょうか？

浅草オペラは、1916年～1923年に作曲家の佐々紅華や興行師の根岸吉之助、ダンサーの高木徳子らが 中心になって浅草で結成・上演し、一大ムーブメントを起こしたオペラ・オペレッタと そのムーブメントをさします。

その熱狂的ファンはペラゴロ（オペラ+ごろつき）と呼ばれていたりもしました。

その発祥100周年を記念して、歴史資料としての価値も高い 「あゝオペラ　写真でたどる魅惑の『インチキ』歌劇」（えにし書房）が5月10日に 発売されるのだそうです。

浅草オペラの生んだスターたちのデビュー当時の記録から、その盛衰まで 29歳の浅草オペラ研究家である、平成のペラゴロこと小針侑起さんがまとめています。

浅草オペラは1923年の関東大震災によって勢いを失い そのムーブメントの期間は非常に短かったものの、日本国内におけるオペラや 西洋音楽の大衆化に非常に大きな役割を果たしたという風に分析されていて オペラのみならず、日本の文化を考える際に重要な資料と言えます。

2005年には80年ぶりの復活公演も開催されたそうで、再びその内容や重要性が 認識される契機となるのではないかと思います、興味深いですね。


 執筆：街コミNAVI編集部