蚕はご存知ですか？「絹を作ることぐらいは知っている」という人は多いと思いますが、それ以上の ことを理解している人や、実際に見たことがある人などはほとんどいないのではないでしょうか？

神奈川県大和市では、そんな蚕について学ぶ企画「カイコを知ろう」が開催されました。 大和市郷土民家園で開催されたこのイベントは、かつて大和市域で養蚕が盛んであったことから 夏蚕を飼育するこの時期に、毎年開催しているそうです。

イベントでは元シルク博物館館長の坂本堅五さんが蚕の生態などの説明や、蚕を上手に育てる コツなどを来場者に説明。参加者はその後敷地内の桑畑に移動し、蚕のえさとなる桑の葉を摘み取り 最後には自宅で飼育するための蚕の幼虫を持ち帰りました。

絹の生産源として世界中の文化とともに生きてきた蚕ですが、野生回帰能力を失った唯一の 家畜化動物で、人間による管理なしでは生息できないのだそう。

野生では生きることができないので、蚕を守っていくためには養蚕の後継者と正しい知識が 不可欠となります。

大和市郷土民家園では現在、蚕の幼虫が眉になるまでの様子を見学できる「蚕の飼育」展示が 開催中とのことです。園内には、江戸時代に建てられた古民家「旧北島家」が移築復元されて 大和市指定重要文化財にもなっています。

旧北島家もかつては養蚕農家だったということで、大和市で最も養蚕が盛んだったころの面影も 感じることができます。子どもを連れて訪れてみるのもいいのではないでしょうか。


 執筆：街コミNAVI編集部