花火はお好きですか？もはや日本の夏には欠かせない花火。全国各地で花火大会も行われて いますし、毎年見に行っているという人も多いのではないでしょうか？

夏の風物詩としての認識が強い花火ですが、静岡県藤枝市では、2年に1度、この時期に ある変わった花火が打ち上げられるんだそうです。 その名も、「朝比奈大龍勢」です。龍勢というのは筒に黒色火薬を詰め、竹竿を結んだ花火で 古式花火とよばれるもの。

国内では埼玉県、静岡県、滋賀県の特定の地域でのみ伝承されているのだそうです。

藤枝市もその龍勢の伝統が息づく数少ない地域の1つで、今でも藤枝市で2年に1度打ち上げられる 龍勢、またその花火大会を朝比奈大龍勢というのだそうで、今回は10月15日に打ち上げられ ました。

静岡県指定無形民俗文化財にも指定されているんですよ。

この花火大会では、朝比奈川流域ごとに結成した「連」と呼ばれる13の集まりごとに 受け継がれている技法で龍勢を手作りして打ち上げます。龍勢は主に地元で伝承や先輩、古老などの アドバイスにより、次世代へと受け継がれているものなので、連によって龍勢の個性も様々に なっているんだとか。

また、この日は龍勢を工学的に分析、研究するという目的で静岡理工科大の教授や生徒が参加。 藤枝市、地元保存会とも連携して龍勢に小型カメラとセンサーを設置して打ち上げたのだそうです。

静岡理工科大の増田教授は、龍勢を工学的視点から伝えるため、地元児童らを対象に飛ぶ仕組み などを紹介する講座を開いくなどの活動も行っているそう。伝統と科学がつながり、新たな 地域社会の時代を切り開くというような構図を考えるだけでワクワクしてしまいますね。


 執筆：街コミNAVI編集部