12月11日、北海道小樽市の歴史的な建造物「旧三井銀行 小樽支店」について、市民に向けて 歴史や価値を伝える研究会が、小樽市内で行われました。この研究会は「旧三井銀行 小樽支店」 が、国の重要文化財指定されることを目指すもので、来年11月まで計11回開催されます。 この「旧三井銀行 小樽支店」は、1927年（昭和2年）に建てられた、小樽で最初の鉄骨鉄筋 コンクリートの建物で、その時代の名残を残す歴史的建造物として、親しまれています。

現在この建物は、家具小売り国内最大手の「ニトリホールディングス」が所有。 小樽市内を流れる小樽運河近くにある「旧荒田商会」や「旧高橋倉庫」と共に、来年7月 「ニトリ小樽芸術村」の施設「日本近代絵画美術館」として開館予定だそうです。

ちなみにこの3つの建物は、小樽が「北のウォール街」と呼ばれ、北海道の発展に大きく貢献した 1923年から35年頃にかけて建築され、その時代背景に合わせ、明治後期から昭和初期の国内外の 美術品が展示されるとのこと。

個人的に小樽は何度か行ったことがありますが…確かに美しい街並みと建物が印象的でした。

その景観を残しつつ、新たな文化財として後世に残されるのは素晴らしいことだと思います。 そもそも最近の建造物は、材質や建築法・技術が根本的に違うこともあると思いますが 建築美・重厚さ・威厳を感じさせる建物って少ないですよね。

新しいモノを産み出すのも素晴らしいとは思いますが、古き良き先人の遺産を後世に残す事も 大切ではないでしょうか。

「ニトリ」はこの「旧三井銀行 小樽支店」の重要文化財に先立って、小樽市の文化財指定を 目指し、先月21日に小樽市教育委員会に指定申請書を提出したそうです。

歴史を伝える建築物が、然るべき評価を経て、然るべき方法で保存されて欲しいものです。


 執筆：街コミNAVI編集部