皆さんの地域には、伝統工芸品と呼べるような工芸品はありますか？各地域、それぞれに特産品など はあると思いますし、伝統の工芸品も1つや2つあるもの。しかし、中には、「名前や製造方法などは 伝わっているけれど、実際に技術を継承している人はいない。」など、存在は知られていながら 消滅してしまっている伝統工芸品なども少なくありません。

技術が進歩する中で伝統も見直されている現在、そうした伝統工芸の復活に尽力する人たちも 出てきています。

そんな中、群馬県伊勢崎市では、伝統工芸品が、半世紀ぶりの復活を果たし話題を集めました。 復活を果たしたのは「伊勢崎銘仙」の1つ、「併用絣」です。

そもそも伊勢崎銘仙とは伊勢崎絣とも呼ばれる織物で、江戸時代中期からその基礎が築かれ 伊勢崎のみならず、江戸、大阪などでも大いに人気を博した織物のこと。

戦後の洋装化の中で衰退しましたが、国からの伝統工芸品指定を受け、現在も技術伝承の努力が されています。併用絣はその伊勢崎銘仙の種類の1つで、伊勢崎銘仙の中で一番という声も ありながら、あまりに高度な技術が必要なために昭和30年代ごろから生産されなくなっていた そうです。

この併用絣を後世に残すため、今年初めから市民グループが「21世紀銘仙～いせさき併用絣を紡ぐ プロジェクト～」を開始。プロジェクトでは製造の全過程を撮影し、銘仙のPRや地域振興に 活用するため進められてきました。

今月市内の結婚式場で完成した振袖やドレスのお披露目会が開催され、約半世紀ぶりの復活を 果たしました。様々な業種のたくさんの人がかかわり感動的な復活を果たした併用絣。 これからもしっかり継承されていくのか、その行く末に注目したいですね。


 執筆：街コミNAVI編集部