東京メトロ東西線・葛西駅高架下の「地下鉄博物館」をご存知でしょうか。

東京で実際に入っていた地下鉄が展示されており、乗ったり触ったりできるこの博物館は電車好きの子供たちをはじめ、鉄道マニアにもファンが多い場所です。地元葛西の方でも両親に連れられて入ったことがある人がいるのではないでしょうか。 さてこの度、この葛西の地下鉄博物館に保存されていた旧1000系の予備灯を3Dスキャンし、図面化して新しく作り直したのです。

なぜ予備灯を？と思いますよね。実はこれ、1月17日から運転を開始する、地下鉄銀座線1000形の特別仕様車両のためのものなのです。

この車両は、日本初の地下鉄である銀座線の開業90周年に合わせて、開業時の車両を再現したものなのです。旧車両は1993年に惜しまれつつ運行を停止したというのですから、お父さんお母さん世代以上の方々の中には、昔乗ったことがある、という人も多いのではないでしょうか。

特にこの車両でこだわった部分は、木目の壁、深緑のシート、真鍮色の手すり、などはもちろんのこと、車内の照明が消えた時に点灯する「予備灯」もその一つだというのです。

現在ではこうして電車の照明が消えるということはないのですが、昔は駅に着く直前などに一瞬車内が真っ暗になり、窓の脇の予備灯がほんのり灯る、ということがあったのです。

葛西の博物館からよみがえった、ノスタルジックな雰囲気のこの予備灯はイベント時のみの稼働なのですが、その形も含めて懐かしい時代の空気をまとっています。

葛西の方はぜひ、「生まれ変わった1000系」をその目で確かめてみてください。


 執筆：街コミNAVI編集部