雪の多いこの季節、全国各地で雪を使ったイベントが開催されていますが…。秋田県横手市の伝統行事といえば、2月15日、16日に開催される「かまくら」です。

高さ3メートルほどのかまどの形をした雪室の中に設置された祠に「おしずの神さん（水神様）」がまつられるというもので、こんもり積み上げられた雪の小部屋から温かな光が漏れるという…幻想的な光景は、約450年も続く横手ならではの小正月の伝統行事だそうです。 2月15日、16日という日程設定のため、平日の開催となることが多いそうですが、幻想的な光景を一目見ようと沢山の観光客が横手を訪れ、期間中は近隣の宿泊施設がいずれも満室となるようです。

1月19日にはかまくら作りを手がける職人たちの詰め所開きが行われ、横手市就業改善センターで、職人たちは拳を突き上げ、作業の安全を誓いました。

職人たちは北嶋勝雄さんを筆頭にした20人グループで、4人1組で横手市内中心部に雪を固めて高さ約3メートル、幅横4メートルのかまくらを80基作っていくとのこと。「かまくら」当日は観光客が中に入って甘酒や餅を食べ、夜が更けるのを待つそうです。

1月後半は岩手県内、横手市内でも交通機関の乱れなどが出たばかりですが、北嶋親方は「暖冬で雪が少ないのではないかと心配していた。雪質も最適。」とかまくら作成に向け、意気込んでいる様子。

まだ開催まで半月以上ありますが、行事を支える人たちの作業は既に始まっており、そろそろ佳境を迎え始める頃でしょう。

たった2日間の行事とは言え、その準備には倍以上の時間がかかるもの。雪を使うということ、自然に左右されることとなるかと思いますが、適度な降雪に恵まれ、安全に順調に作業が進むことを願ってやみません。


 執筆：街コミNAVI編集部