人が亡くなると、各地・各所で様々な風習に基づき、多様な埋葬が行われます。そんな中、昨今では新しい埋葬の形として大きな注目を集めているのが「樹木葬」です。

日本で初めて樹木葬が行われたのが、岩手県一関市と言われています。お墓でありながら、墓石も写真もなく、あるのは雄大な自然と、年々育つ樹木だけ。大きく分けると里山タイプ、公園タイプ、庭園タイプの3つがあり、個人の名前を示すプレートの有無などを細分化すると、その種類は多様で100種類以上あるようです。 最初に樹木葬を行ったとされるのは、1991年、一関市にある臨済宗・祥雲寺というお寺。

樹木葬墓地を管理する子院・知勝院が宗教法人として認可された2006年以降は、知勝院が管理しているようです。

木が墓石の代わり、木札が墓標の代わりとなっていて、墓地は、半径1メートルの円ほどの大きさがお一人の区画。里山に自生するウメモドキ、エゾアジサイ、ムラサキシキブなど15種類の低木の花木から、契約者が選び、埋葬のときに植えるそうです。つまり敷地内で、小さい木の場所は遺骨が埋葬されてから日が浅く、成長しているところほど埋葬後の月日が長いということ。

木札や墓標木の場所が分からなくならないか素朴な疑問が沸きあがりますが、数メートルごとに基準木が植えられていて、そこから方角と距離を測って区画を台帳に記載しているそうです。

樹木埋葬地は、自然公園のような雰囲気のエリア、近くの栗駒岳を眺望できるエリア、水生生物がいるエリアの3種類があり、合計約6万9,000平方メートル。全体で約2,400人が契約済。一関周辺の人だけでなく、全国から申し込みがあるようです。

一関に縁がなく、樹木葬に関心を持って申し込む人が多いようですね。アクセスは、東北新幹線一関駅で降り、タクシーで25分ほどだそうです。皆さんも一度、樹木葬を検討してみてはいかがですか？


 執筆：街コミNAVI編集部