夏になると、お祭りや夏休みなど、浮かれた気持ちになるイベントが多くなってきますが、そんな中にあって、同時に私たち日本人にとっては、原爆の投下や第二次世界大戦の終結などがあった季節でもあり、平和について考えさせられる時期ですよね。

日本で平和についての関心が高い地域はなんといっても被爆地の広島、長崎や、地上戦が行われた沖縄です。 そんな中、沖縄では子供たちの平和教育にも積極的で、先日も那覇市で平和について考える演劇を子供たちが上演しました。

このイベントは那覇青少年舞台プログラムが主催して毎年開催しているもので、那覇市の対馬丸記念館の前の広場で、子供たちが対馬丸を題材にした演劇と詩の朗読会を行うもの。対馬丸はかつて日本郵船の所有していた船で、太平洋戦争中の1944年に政府命令で沖縄から本土への学童疎開の輸送中にアメリカ海軍の攻撃を受けて沈没した船。

非戦闘員である子供たちの命が多く奪われたこの事件は、対馬丸の悲劇といて今でも語り継がれています。対馬丸記念館は対馬丸事件から60周年となった2004年に那覇市で開館した施設で、遺影や、生存者の証言などが残されています。

この演劇の上演は2012年から毎年開催しているもので、今年は6月23日に上演されました。戦争を体験した世代がいなくなる中で、どのように戦争の悲劇を後世に伝えていくのかが問われている現代社会の中で、少しでも「知る」ことはやはり大事なことだと思います。

こうした演劇を通じて、演じた側の子供たちも何かを感じることができればいいなと思います。


 執筆：街コミNAVI編集部