（2018年7月31日に書かれたコラムです）

西日本豪雨の被害が色濃く残る中国・四国地方。その中で今回は岡山県倉敷市の老舗クリーニング店の活動を紹介したいと思います。

岡山県倉敷市を中心に6店舗を構えるクリーニング業者「長尾ランドリー」が、西日本豪雨の影響で汚れた衣服を、洗浄しています。自身の店舗も倉敷市内の営業所が浸水しましたが、連日フル稼働で泥水にまみれた衣服を1枚1枚洗い上げています。 被災された当時、浸水した店の天井は剥がれ落ち、棚は散乱。店内にはスーツやコートなど、衣替えで客から預かった衣類約2000点が泥水にまみれて山のようになっていたと言います。

厚生労働省によると、クリーニングで預かった衣類が災害で紛失・損傷した場合は民法上、店側には賠償責任は問われないと言います。

それでも「長尾ランドリー」の山本会長は「預かったものはきれいにして返す。こういう時こそ地元岡山のお客さんに恩返しする」と決断し、被災した店舗にある2000点のほか、被災者向けに通常料金の半額で請け負った1000点を洗浄することに決めました。

泥が素材にまで染み込んだ衣類は、通常のクリーニングでは汚れが落ち切らないと言います。そこで普段は店の外壁を洗うときに使う高圧洗浄機を使い、試行錯誤しながら、衣類を傷つけずに汚れを洗い流す最適な水圧を見つけ出したそうです。

「どんなときも地元の役に立ちたい」創業60年を越える地域密着型の老舗が、地元岡山の被災された方々のために奮闘しています｡気の遠くなる作業だと思いますが、こうやって奮闘してくださる地元企業あっての復興だと思います。ぜひ暑さや疲労に負けることなく、がんばっていただきたいと思います。


 執筆：街コミNAVI編集部