飯田の郷土料理「五平餅」をご存知でしょうか？

長野県南部に位置する飯田市の名物料理「五平餅」は、古くから飯田の町に伝わる郷土食です。

昔から村落の農民が相集い、新穀の感謝と豊作の祈りを込めて神前に「五平餅」が供えられてきました。 山の神大山祗神を祀る祝詞の中には、「白体の和幣三本を一行に置種々の供え物崇なして伝々」と記されています。 これは、「白米を握り3個を1本の串に刺し…」という意味であり、新米のご飯を押しつぶし、割木に強く張り付け、軍配型に作られ、その形が神に捧げる御幣に似ていたところから、その名が生まれたと伝えられているそうです。 「五平餅」は、直径45ミリ・厚さ15ミリ程度の円形で竹を素材とした串に２個を刺す眼鏡型が基本の形となっています。

材料には飯田下伊那産の米と信州味噌を原料にしたタレ（くるみ・山椒・胡麻・柚子）が使用されており、それらを素焼きしてタレを付けたあと再度焼いたものが「五平餅」となります。

作り方は、ご飯を多少粒が残る程度につぶし（半殺し）、円形に整えて串に刺し、甘めのタレを使いパリッと焼き上げます。 お米が貴重とされていた時代には、お祭りや祝い事の席など晴れの日の舞台に食べられていました。

現在も、飯田市では「五平餅」を食べられるお店があるんです。 飯田市馬場町にある「五平もちの在来屋」では、店頭で本格的な五平餅を食べることができるだけでなく、通販で購入することも可能です。

1本170円と、大変リーズナブルな価格で、くるみ味噌・ごま味噌・ゆず味噌・季節の味噌の4種類が取り揃えられています。

ファーストフードや韓国料理などが人気の昨今、「日本の郷土料理に触れる機会が少なくなくなった。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか？ 海外の味に、少し飽きてしまったら…日本の魅力をたっぷりと感じられる「五平餅」を食べてみてくださいね。


 執筆：街コミNAVI編集部