玉名の名物のひとつ、山田日吉神社の「山田の藤」をご存知でしょうか。

美しい淡い紫の花々が千々に咲き乱れる圧巻の光景が今、玉名には広がっています。梅、桜に比べるとあまりクローズアップされることの少ない藤の花ですが、山田の藤はその規模や枝ぶりが見事で、見物客が毎年、多数訪れます。 幹回りが2.5メートル、枝が東西12メートル・南北10メートルという、県指定天然記念物の藤に加え、12本の藤が境内を彩っています。

最古のものは推定樹齢が200年を超えているとされています。

200年前といえば、1817年ですから世界はナポレオン戦争がようやく終結し、ウィーン会議直後の混乱期ですし、日本は江戸時代末期、幕末に向かう爛熟期。200年の歴史を玉名で経てきた藤は、また穏やかな春を迎えられたことをどう感じているのでしょうか。

物言わぬ藤はただ春風に吹かれているばかりです。

「房」は60センチも垂れ下がり、今がちょうど満開です。今年は玉名が例年より低温で開花も遅いそうですが、境内にはやさしい甘い香りが充満しています。

チューリップや梅のような彩りあざやかな花々も魅力的ですが、藤のあわい色合いは心を和らげてくれます。

5月5日までは夜間ライトアップ（19時～22時）もあるそうで、玉名の付近を訪れる方は5月初頭のいい気候の中、夜の散歩としゃれこむのもいいかもしれません。ゴールデンウィークの観光旅行に是非、一案加えてみてください。


 執筆：街コミNAVI編集部