案山子とは「かかし」のことですが、田舎生まれの者なら田んぼを見張ってくれるガードマンのような存在であり、人々の生活を見守ってくれる守り神のような存在でもあります。

雨の日も風の日も物言わぬその姿は寡黙な農作業そのものを象徴しているような気もします。

さて、そんなかかしがクローズアップされる珍しい祭りが、熊本・天草市で行われているのをご存知でしょうか。 なんと320体がずらっと並ぶ「かかしまつり」では、かかしたちが昔の祭りや農村風景、結婚式行列などを再現しているのです。

国道266号線沿いの会場を横目に見て、天草を通過するときにドライバーたちはびっくりするとのこと。

かかしまつりの始まりは9年前に遡ります。天草の地元高齢者のみなさんが始めた新しい祭りなのです。海岸の廃材や、発泡スチロールで頭部を、そして木や針金で骨格を、藁で肉付けしたのち、最後に着古しの服を着せます。昨年の来場者数は約1万8千人だということです。

この「かかし村」こと天草市宮地岳町の住民の数は533名。碓井弘幸さん（78）によると、今年のかかしは去年より40体増えたそうですが、このままいくと地域住民の数をかかしが上回ってしまうことになりそうです。

展示はゴールデンウィークが終わる5月7日まで続けられるそうです。天草のあたりを通るドライバーの皆様、びっくりしてハンドルを切ってしまわないように、安全運転をお願いしますね。


 執筆：街コミNAVI編集部