（2018年3月21日に書かれたコラムです）

世の中には様々な移動手段がありますが、中でも私たちにとって一番身近なものに電車がありますよね。

そして、旅行や出張などで長距離の移動が必要になったときに乗る電車といえば新幹線だと思います。近年新たな新幹線の路線も誕生し、現在も新たな路線の開通などが進められていますが、新幹線が地元にとまるというのは、地元にとっては交通が便利になり、旅行客や居住者が増えることにもつながるということでとても大きなインパクトのあること。

現在、新幹線の走る地域でも、誘致などを巡って様々なドラマが繰り広げられてきましたが、静岡県掛川市では、新幹線の掛川駅の開業30周年を祝うパーティーが開催されました。 新幹線の掛川駅は、1988年3月13日開業。

誘致を主導したのは、当時の市長だった榛村純一さんで、最初は、小都市への新幹線の駅設置は相手にもされなかったそうですが、「静岡駅と浜松駅の駅間は東海道新幹線全体で最長」「近隣市町村を含めれば乗降客が見込める」「運行障害時の退避駅として有用」「東海道本線が並走していて利便性が高い」といった主張を掲げて粘り強い交渉を進めた結果、全額地元負担という条件で設置されたのだといいます。

そして、その設置費用は地元の市民や企業などから寄付を募り集まった30億円がつかわれたという、とても熱いドラマの下に設置されたのが新幹線掛川駅なのです。

今回掛川市役所で開催されたパーティーには、当時新幹線駅設置に関わった関係者が約150人も集まり、掛川駅の開業するまで、そして開業してからのこれまでとこれからについて語り合ったり、当時埋められたタイムカプセルの掘り起こしたりといったイベントを通じて、これからについての決意を固めあいました。

残念ながら榛村元市長はパーティーが行われる1週間前になくなってしまったということで、会場ではメッセージだけが読み上げられることになったのだそう。

実際に掛川市では新幹線開業後観光交流客数が3・4倍になるなど、目に見えた効果もあるということで、これからも地元の大事な資源の1つとして活躍してほしいところですね。


 執筆：街コミNAVI編集部