（2019年11月14日に書かれたコラムです）

多くの人が普段の生活の中で、「鋳物」にお世話になっているのではないでしょうか？食器や鍋やそのほかにも様々なものに鋳物は使われています。

そして高岡はそんな"鋳物の街"としても知られているんですが、そんな高岡では恒例となっている鋳物の神様に感謝をし、鋳物作業の安全と繁栄を祈る「ふいご祭り」が開催され話題となっているそうなんです。 この高岡で行われる行事では昔ながらの鋳物作りには欠かせない道具「ふいご」が使われるのですが、このふいごというのは現在ではなかなか使われる場面も少なくなってきた道具の一つ。

今回の高岡での行事では神事のあとに鋳造式が行われ、その中でこちらのふいごを実際に使用して昔な行いがらの方法で焼き瓦を製作されたのだとか。

昔ながらの道具ではありますが、熟練の方たちが使用すれば炉の中を1200度まで熱することができるそうで、この行事ではそんな現在ではなかなかお目にかかれない貴重な作業の様子を見ることできるのだそうです。

昔の人の技術というのには驚かされるばかりですが、なによりこうした神事が今もなお残っているというところに鋳物というものの歴史の深さを垣間見ることができるのではないでしょうか？

ちなみにこちらでは昔から鋳物師の方がふるまうみかんを食べると風邪をひかないと言われているそうで、訪れた多くの人がこの昔ながらの儀式を見た後にみかんを食べ無病息災を祈願されていたそうです。

一度、実際に自分の目でこうした伝統の技法を見てみるというのもいいものではないでしょうか？


 執筆：街コミNAVI編集部