（2020年4月30日に書かれたコラムです）

コロナの感染拡大を受け、外出自粛が続く中、飲食店のみならず、飲料品を扱う会社、酒造会社なども大きな打撃を受けています。

山梨県南アルプス市で140年以上続く老舗蔵元「太冠酒造」は、社長の他に従業員5人と小規模ながらも、ワイン酵母を用いたスパークリング日本酒や山梨県産シャインマスカット果汁と純米酒をブレンドした酒を売り出すなど、個性の光る日本酒メーカーです。

南アルプスの豊かな自然に育まれた素材を使用した酒類は地元南アルプス周辺でも大人気だそうです。 太冠酒造が手がける日本酒は、8割以上が山梨県内の飲食店などで消費されており、ネット販売も行っているモノの、売り上げ全体に占める割合は大きくないと言います。

太冠酒造の大沢慶暢社長によると、売り上げは前年と比べると2月は2割減、3月は4割減、4月に入ると7～8割も減少しているそうです。

4月は歓迎会などで賑わう時期ですが、甲府市や南アルプス市の飲食店は閑散としている状況。入り口を開けて換気に注意しながら営業している店もありますが、客の入りは乏しいと言います。また酒類の提供時間も制限されていることも、消費の減少に拍車をかけているのかもしれません。

緊急事態宣言が全国に拡大される4月16日以前から、山梨県は独自に感染リスクが高いとされる場所への外出自粛を要請しており、特定のメンバーで飲み会や食事をすること、パーティなどの開催自粛も呼びかけていたと言います。

こういった不況の風は全国で吹き荒れていると思いますが、何とか持ちこたえて欲しいと切に願います。そして新型コロナ終息の暁には、南アルプスの息吹が込められた美味しいお酒で、沢山の方に乾杯して欲しい。そんな日が一日も早く来て欲しいものです。


 執筆：街コミNAVI編集部