テレビなどで、エジプトの遺跡の発掘などの番組をみるとワクワクしてしまう人も いるかと思いますが、　日本でも様々な遺跡の発掘がなされています。

宮城県の大崎市田尻地区では、現在行われている遺跡発掘の成果を披露する 調査成果発表会が大崎市田尻文化センターで2月20日行われました。 調査は、県営の農地整備事業に伴い大崎市教育委員が2004年度に開始し 県教育委員会も2007年度から発掘に取り掛かっていました。

大崎市には古代の遺跡が非常に多く残されており、その時代もさまざま。

今回の調査報告では主に北小松遺跡（縄文晩期、約3000～2500年前） 団子山西遺跡（奈良～鎌倉時代、約1300～700年前） 通木田中前遺跡（弥生前期約2400年前）の三遺跡についての報告がされました。

北小松遺跡からは27ヵ所の墓が見つかり、多数の人骨や犬の骨が出土。 当時の地面に大洪水の跡があり、それによれ谷や沼地が土砂で埋まり 現在の平らな地形になったと考えられているんですね。

通木田中前遺跡からは弥生前期の石器と土器がまとまって出土し 発掘された手裏剣に、似た多頭石斧は大崎地方では初出土なんだそうです。

そして、団子山西遺跡からは「軍」の文字が墨書きされた土器が見つかりました。 出土位置が八世紀に政権が政治、軍事拠点として置いた「新田柵」の南門があったと 考えられる位置と重なっていて、軍事関連を想起させる文字が発見されるのは 珍しいことから、遺跡の性格を考える上で非常に重要な資料といえるのだそうです。

今回の成果は大崎に限らず 日本の遺跡発掘にとって重要な発見の一つと言えそうです。


 執筆：街コミNAVI編集部