「日本遺産」をご存知ですか？世界遺産があるんだから、そりゃあ日本遺産もあるでしょ、と 思った方、実は日本遺産というのは2015年から認定が始まった、まだまだ生まれたばかりの 制度なのです。

文化庁が行う日本遺産認定の最大の特徴は、世界遺産や指定文化財が文化財そのものの価値づけを 行うのに対して、日本遺産は「文化・伝統とそのストーリー」を認定することにあります。

そのため、その文化に関する地域が多ければ、複数の地域が協力して登録を目指すこともあります。

そんな中、来年4月の認定を目指す「北前船交易」の文化では、山形県酒田市をはじめとして なんと北海道から岡山まで25市町が協力して日本遺産登録を目指しているんだとか。 北前船とは江戸時代から明治時代にかけて日本海での交易に活躍した船のことで、日本中に寄港地が あったために、多くの自治体が協力して登録に向けて動くことになりました。

北前船交易の南北の境であり、主要寄港地だった酒田市では北前船は繁栄のシンボルとなっていて 酒田市の日和山公園には北前船の模型も飾られています。

6月には酒田市が代表自治体となって推進協議会の設立もされましたが、過去2年で37認定された 日本遺産のうち複数県をまたぐ日本遺産は1つだけ。やはり意思統一や足並みをそろえるのが大きな 課題となりそう。

ということで、まずは酒田市をはじめとして、北前船寄港地としての認知度が高い10の自治体が 認定を目指し、次年度以降に残りの自治体の登録を目指す方針なんだとか。

北前船もですが、日本遺産自体のこれからの動向に注目です。


 執筆：街コミNAVI編集部